国際航空の猫。
ミャンマー空港のビルの送迎デッキで歓声をあげながら手を振っているのだ。
あたし帰ると妻が飛行機の中に戻ろうとした。
まぁまぁ、とにかく降りて。
後ろの人がつかえるといけないから、俺はそう言って、無理矢理妻を1回転させタラップに押し出した。
妻は帰ると言ったら帰るのである。
飛行機をハイジャックしてでも帰る人間なのだ。
そんな事を目の前でされてはたまったものでは無い。
俺たちはタラップの下に待機していたバスに乗り込む。
しかしほとんどの乗客は荷物を両手にぶら下げて、滑走路の上を空港ビルへと歩いていく。
その脇をすり抜けるようにして、俺と妻を乗せたバスが薄暗い2f建ての空港ビルへとひた走る。